東京アートポイント計画

東京アートポイント計画とは

    東京アートポイント計画は、文化の力で、人や社会との新たな「かかわり」の回路をひらく取り組みです。

    アーツカウンシル東京が実施する「東京アートポイント計画」は、地域社会を担うNPOとともに、社会に対して新たな価値観や創造的な活動を生み出すためのさまざまな「アートポイント」 *1 をつくる事業です。

    当たり前を問い直す、課題をみつける、異なる分野をつなぐ―そうしたアートの特性を活用し、実験的なアートプロジェクトをとおして、個人が豊かに生きていくための関係づくりや創造的な活動が生まれる仕組みづくりに取り組んでいます。

    2009年から現在(2022年4月)までに、東京都、アーツカウンシル東京、NPO*2 との共催で56団体と45件のプロジェクトを実施してきました。プロジェクトが地域に根付くために、プロジェクトを担う人材育成や活動基盤の整備なども行っています。

    *1 NPO法人のほか、一般社団法人、社会福祉法人など非営利型の組織も含む

    *2 「アートポイント」とは
    アートプロジェクトが継続的に動いている場であり、その活動をつくる人々が集まる創造的な拠点のこと。アーティスト、運営スタッフ、ボランティア、参加者などさまざまな担い手により「アートポイント」は形成されると考えています。

    東京アートポイント計画が目指すこと

    東京アートポイント計画は、地域やコミュニティでプロジェクトが継続することを重視し、アートプロジェクトを通して新たな出会いやネットワークの創出、創造的な活動が生まれる場づくりなどを行ってきました。それは、人々や社会との関係をゆるやかに結び直し、ときには、ある社会的な課題や困難にともに向き合うことができる、顔が見える「わたしたち」の関係を生み出すことにつながります。

    いまも続くコロナ禍の影響は、人と人との関係を大きく変化させました。面と向かった出会いの機会は減り、代わりに人と人との間に距離を取ることが求められています。そして、高齢化社会、貧困・格差、人々の孤立化・分断…など、コロナ禍以前から社会が抱えていた課題を浮かび上がらせ、さらに新たな社会的な孤立やコミュニティの分断を生み出しています。アートプロジェクトのやりかたは変化せざるをえないものの、改めてこの状況下で、人と人とのかかわりかたを考え直し、東京で暮らす人たちの「生きやすさの回路」をひらくことが必要なのではないでしょうか。

    アートが持つ柔軟な思考、新しい視点や豊かな想像力を、アートプロジェクトを通してさまざまな人たちと実践し、身体化していく。それには、単発のイベントで強いインパクトを与えようとするやりかたではなく、プロジェクトにかかわる人たちとともに、その地域やコミュニティの実情に合わせ、自分たちの手で時間をかけてプロジェクトを育んでいけるようなやりかたが大切だと考えています。東京アートポイント計画は、地域で持続可能なアートプロジェクトを支える環境づくりを重視し、その担い手となる運営チームやコミュニティの育成を支援しています。

    東京アートポイント計画紹介映像


    東京アートポイント計画の特徴

    (1) 3年~5年かけて事業を育み、NPOと「共催」で、実験的なアートプロジェクトを展開しています。

    共催事業の体制

    ・ 東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、地域社会を担うNPOがパートナーとしてともにアートプロジェクトを展開します。
    ・ NPOのビジョンを起点に、事業設計や実施計画の段階から主催者同士が丁寧にやりとりを重ね、実験的なアートプロジェクトの実施を中期的にサポートします。
    ・NPOの運営体制づくりを重視します(事業費に加えて、事務局で働く人たちの人件費を計上できます)。

    現在実施中のアートプロジェクトはこちら

    共催団体のメンバーやプログラムオフィサーが、プロジェクトについて打ち合わせする様子

    (2) アートプロジェクトの専門スタッフ、プログラムオフィサーが通年で伴走します。

    photo by Hajime Kato

    ・ 各事業には、行政とアートプロジェクトの現場をつなぐ「中間支援」の専門スタッフ「プログラムオフィサー」が伴走します。東京アートポイント計画の12年間の経験をもとに、企画の立案から実施まで事業をフォローします。
    ・ NPOが継続的に活動を実施できるよう、年間を通して情報やノウハウ、ネットワークの提供を行い、組織力の強化をサポートします。

    中間支援という役割から事業を紹介する書籍はこちら

    (3)「チーム力」や「ネットワーク」を育むための「学びあい」の機会を提供します。

    ジムジム会(2019年度)の様子 photo by Hajime Kato

    ・ アートプロジェクトの運営サイクル(企画、準備、実施、報告、検証・評価)を円滑に動かす「チーム」づくりや、多様な人がかかわる活動を支える拠点づくりを大切にしています。活動を推進するために、Tokyo Art Research Labと連携した学びの機会を提供しています。
    ・ 東京アートポイント計画を担うNPO相互のネットワークづくりの取り組みも行います。

    共催事業同士のネットワーキング「ジムジム会」の詳細はこちら

    「東京アートポイント計画」は人材育成事業「 Tokyo Art Research Lab( TARL )」と連動しながら展開しています。

    TARL では、250 種類以上のドキュメントや教材を発行したり、現場の課題に対応したスクールプログラムや研究開発を行っています。 TARL のリソースも活用しつつ事業を展開します。

    Tokyo Art Research Lab についての詳細はこちら


    実績・沿革

    これまでに共催してきた団体|56 団体 (2009 ~ 2022 年度)

    NPO:46
    基礎自治体:7(豊島区/荒川区/練馬区/足立区/小金井市/三宅村/国立市)
    大学:1(東京藝術大学音楽学部・大学院国際芸術創造研究科)
    財団:2(公益財団法人せたがや文化財団 生活工房/公益財団法人くにたち文化・スポーツ振興財団)

    これまでに展開してきたアートプロジェクト|45 事業 (2009 ~ 2021 年度)

    ※2009年~2011年までの事業は、『これからの文化を「10年単位」で語るために― 東京アートポイント計画 2009-2018 ―』を参照

    2012年度
    2013年度
    2014年度
    2015年度
    2016年度
    2017年度
    2018年度
    2019年度
    2020年度
    2021年度

    ※年間約100 件のプログラムを実施

    沿革

    2006 年12 月
    「東京芸術文化評議会」が設立される。
    オリンピック文化プログラムの検討開始。


    2008 年4 月
    財団法人東京都歴史文化財団に、「東京文化発信プロジェクト室」が設立。


    2009 年4 月
    東京文化発信プロジェクト室にて、東京都の文化政策として提案された<千の見世>を事業化し、「東京アートポイント計画」として始動。


    2010 年6 月
    東京アートポイント計画にてアートプロジェクトを実践する人々のためのリサーチプログラム「Tokyo Art Research Lab (TARL)」が始動。


    2011 年7 月
    東京アートポイント計画の手法を活用した東日本大震災の復興支援事業として「Art Support Tohoku-Tokyo (ASTT)」が始動。


    2015 年4 月
    東京文化発信プロジェクト室が「アーツカウンシル東京」と組織統合し、「芸術文化創造・発信事業」のひとつになる。


    2016 年4 月
    新規共催団体の公募を開始。


    2019 年3 月
    事業の10年の知見をまとめた『これからの文化を「10年単位で語るために」ー東京アートポイント計画 2009年-2018年ー』を発行。


    2019 年9 月
    共催事業参加団体のネットワーキング事業「ジムジム会(事務局による事務局のためのジムのような勉強会)」始動。
    September 2019
    Launches Jimu-Gym, a study group about administration and networking project for partner organizations.